FRB3年ぶり利上げで市場はどう動いた?仮想通貨に3つの逆風
よきょい
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4.00%としました。利上げは2023年7月以来およそ3年ぶりで、決定は12対0の全会一致です。金利先物市場は事前に9割超の確率で利上げを織り込んでおり、決定そのものに驚きはありませんでした。
背景にあるのは根強いインフレです。9月11日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%の上昇で、エネルギー価格の高騰が物価を押し上げています。一方で雇用は底堅く、8月の非農業部門雇用者数は16万2000人増、失業率は4.1%でした。
ウォーシュ議長は会見でインフレが5年以上にわたって目標を上回っていると述べ、物価安定を最優先する姿勢を明確にしました。米経済は力強さを増しており、現在の金融環境は引き締め的とは言いがたいとの認識も示しています。7月会合では利上げを求める3人が反対票を投じていたこともあり、今回の全会一致は委員会の足並みがそろったことを示す結果となりました。
年内の追加利上げ示唆と伝統的市場の反応
市場の関心を集めたのは、同時に公表されたドットプロット(参加者の金利予想分布)です。2026年末の政策金利見通しの中央値は、6月時点の3.8%から4.1%へ引き上げられ、年内にもう1回の利上げを示唆する内容となりました。ただしウォーシュ議長は、将来の政策を事前に示す立場にはないとして、追加利上げへの明言を避けています。
会見が進むにつれて株式市場は下げに転じました。ダウ工業株30種平均は631ドル安(1.21%安)の5万1461ドルで取引を終え、S&P500種は0.45%下落、ナスダック総合指数はほぼ横ばいでした。金融政策の見通しを反映しやすい2年債利回りは0.07ポイント上昇し、2年超ぶりの高水準をつけています。
ドル指数は0.65%超上昇し6月以来の上げ幅となりました。金と銀は金利上昇観測を受けて大きく値を下げています。原油価格は1バレル100ドルを上回る水準が続き、米10年国債利回りも5%前後で高止まりしています。リスク資産全般にとって資金調達環境の厳しさが意識される展開です。
ビットコインは底堅さ、XRPは法案否決の影響大きく
仮想通貨市場の反応は比較的落ち着いたものでした。ビットコインは発表前の7万5500ドル前後から一時7万6300ドルまで上昇し、その後は7万5400ドル付近に押し戻されています。
Bitcoin price by TradingView
前日の15日に、米上院でクラリティ法案の審議入りが賛成49、反対50で否決され約4%下落していました。利上げ自体は相場に織り込み済みだったとみられます。
下げがより大きかったのは、米国の規制動向に直結する銘柄です。15日にはコインベース株が約10%、サークル株が11%超下落しました。XRPは15日の228円前後から17日に196円まで約14%下落し、現在は203円前後と小幅に値を戻しています。
今後の焦点は、7万ドル付近に位置するビットコインの200日移動平均線です。年内の追加利上げ観測、高止まりする長期金利と原油、立法の停滞という3つの逆風のなかで、8月からの回復基調を保てるかが試される局面になりそうです。
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