仮想通貨新法は欧州MiCA規制と何が違う?|差はDeFiか
よきょい

仮想通貨を「金融商品」と位置づける改正金融商品取引法が15日、参議院本会議で可決・成立しました。これに先立つ参議院財政金融委員会ではEUの包括的規制「MiCA」と日本の新制度の違いが議題となり、金融庁の認識が示されました。
金融庁の井上企画市場局長は、情報開示やインサイダー取引規制の水準について「欧州のMiCAと遜色はない」と答弁。一方で明確な相違点として挙げられたのがDeFi(分散型金融)への対応です。MiCAでは完全に分散化されたDeFiは規制対象外とされているのに対し、日本は金融審議会ワーキンググループの提言を踏まえ規制のあり方を継続的に検討していく方針とされています。
そのMiCAは2023年に発効し、段階的な施行を経て今月1日にEU全域で移行期間が終了したばかりです。以降は認可を得ていない業者がEU域内の顧客へサービスを提供することは法令違反となり、撤退か認可取得かの二択を迫られています。移行前には1200社超が各国の旧制度下で登録していたのに対し新制度で承認された業者は200社規模にとどまるとされ、大幅な淘汰が進んだと見られています。
もっとも規制対象外とされるMiCAのDeFiについても、欧州当局は「完全な分散化」を実態ベースで厳しく判定する姿勢を示しており、運営者が実質的な支配権を持つ場合は認可対象になり得るとの見解が出ています。日本が掲げる「継続検討」と欧州の「実態判定」は、アプローチこそ違えど分散型を装った中央集権的サービスを許さないという方向性では重なりつつあります。
なお銘柄ごとの情報公表を投資家が比較しやすくするための標準化や一覧性の確保について、日本では法律ではなく内閣府令などの下位規則で対応する方針が示されました。ホワイトペーパー(発行体が公表する説明文書)の書式統一などが今後の実務上の論点となりそうです。
一方の米国ではSECとCFTCの管轄を切り分ける市場構造法案「CLARITY法案」が下院を通過したものの、上院では採決の見通しが立っていません。EUが施行を終え日本が2027年度施行へ動き出す中、主要国の規制整備レースで米国の遅れが目立つ構図になりそうです。
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