【今日のマクロ経済】米・イラン覚書が成果なく期限到来。ドル円再介入あるか
よきょい

8月18日現在、米国とイランが6月17日に署名した戦闘終結に向けた最終合意を目指す覚書が、成果のないまま期限を迎えました。トランプ大統領は延長しない意向を示し、イラン側も米国が覚書に基づく合意を完全に履行せず外交努力が失敗に終われば「適時かつ適切な」軍事行動に踏み切るとの当局者コメントが報じられています。仲介国オマーンに対してもトランプ氏は「オマーンが米国の邪魔をすれば爆撃する」と述べるなど、攻撃的な姿勢を強めています。
これを受けて原油(WTI)は一時85ドル台をつけ、米30年債利回りは2007年以来の高水準を記録しました。日経平均はAI・半導体関連の買いで5営業日続伸の69,220.25円となる一方、TOPIXは9営業日ぶりに反落しており、指数間で明暗が分かれています。ビットコインは63,000ドル台へ小幅に持ち直しました。
📈 主要指標(8月18日)
| 銘柄 | 直近価格 | トレンド | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| S&P 500 | 7,745.06 | 下落 | 原油高と長期金利上昇を嫌気し-0.5%と続落。ただしSOXは+1.64%と半導体は堅調 |
| 日経平均 | 69,220.25円 | 上昇 | 半導体メモリ関連の買いで+0.74%と5日続伸。一方でTOPIXは9営業日ぶりに反落 |
| 金(Gold) | $4,420〜4,425/oz | 上昇 | 地政学リスクの高まりを受け4,420ドル台へ上昇。高値圏を一段と切り上げる動き |
| 原油(WTI) | $84.5〜85/bbl | 上昇 | 覚書の期限到来で一時85ドル台。8月上旬の75ドル台から10ドル近い水準回復 |
| BTC | $63,000〜63,500 | 上昇 | 63,000ドル台へ小幅に持ち直し。長期金利の上昇局面でも下値の堅さを維持 |
| ETH | $1,880〜1,900 | 保合い | 1,900ドルをうかがう水準で小動き。BTCに追随するも上抜けの勢いには欠ける |
| SOL | $75.7〜76 | 保合い | 76ドル前後で安定〜やや強含み。8月中旬以降の狭いレンジ内での推移が継続 |
| XRP | $1.00前後 | 保合い | 1ドルちょうど付近で下げ止まる展開。節目を巡る攻防が数日にわたり続いている |
📊 マクロ経済:本日の注目トピックス
① 米・イラン覚書が成果なく期限到来、原油は85ドル台へ
米国とイランが6月17日に署名した、戦闘終結に向けた最終合意を目指す覚書が期限を迎えました。2カ月間にわたる交渉で具体的な成果は得られず、トランプ大統領は延長しない意向を示しています。イラン側からは、米国が覚書に基づく合意を完全に履行せず外交努力が失敗に終われば「適時かつ適切な」軍事行動に踏み切るだろうという当局者のコメントが報じられました。
さらにトランプ氏は交渉の仲介国であるオマーンに対しても「オマーンが米国の邪魔をすれば爆撃する」と述べ、攻撃的な姿勢を強めています。8月上旬に「イランとオマーンの航路合意が最終段階」と報じられた局面から、状況は完全に逆行しました。前日にはホルムズ海峡を「近く米国の領土と宣言する」との発言もあり、外交的な解決の枠組みそのものが機能不全に陥りつつあります。
原油価格はこれを織り込む形で上昇し、WTIは一時1バレル85ドル台をつけました。8月上旬の75ドル台からは10ドル近い水準回復です。企業業績への影響懸念から米国株の下押し圧力となり、主要3指標は揃って続落しました。
② 米30年債が2007年以来の高水準、2年債との格差は4月以来
債券市場では長期ゾーンの売りが加速しています。17日の米国債券市場では30年債利回りが2007年以来の高水準を付け、10年債利回りも上昇しました。背景には中東情勢の緊迫化に加え、政府債務の膨張、長期債の大量発行、インフレの根強さに対する警戒感があります。
ここで重要なのは、短期と長期で方向が逆になっている点です。足元の経済指標は雇用や小売売上高の弱さを示しFRBによる追加利上げ観測は後退しているため、2年債利回りの上昇幅は限定的でした。結果として2年債と30年債の利回り格差は4月以来の大きさに拡大しています。短期金利の見通しが低下する一方で、財政赤字やインフレリスクを背景に長期債へより高いリスクプレミアムが求められているということです。
この動きは米国に限りません。ドイツ30年債利回りは2011年以来の高水準に達しており、グローバルな国債売りが継続しています。日本でも長期金利は30年ぶりの高水準にあり、本日は5年国債入札が予定されています。利回り水準は過去最高圏にあるため一定の投資需要は期待されるものの、日銀の金融政策を巡る不透明感やターミナルレート見通しの上振れ、財政拡張への警戒感が応札の手控え要因となりそうです。
③ ドル円は159円60銭の壁、160円接近なら再介入も
17日のドル円相場は小反発しました。アジア市場では159円40銭台から158円80銭台まで軟化する場面も見られましたが、その後は中東情勢への警戒感から原油価格が強含むなかでドル買いが強まり、一時159円60銭まで値を伸ばしています。米8月NAHB住宅市場指数が予想を上回ったことも追い風となりました。
注目したいのは159円60銭付近という水準です。先週も複数回跳ね返されており、いったん上値は堅い様子です。ただし原油価格が上昇すればドルには金利先高感を伴う買いが入りやすく、この壁を突破して160円への復帰を目指す展開もあり得ます。その場合は再度介入が入るのかも含め、荒い値動きを警戒すべき局面となります。
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