DeFiマルチチェーンの罠、一つのバグが全資金を一気に脅かす

2026/06/08・

よきょい

DeFiマルチチェーンの罠、一つのバグが全資金を一気に脅かす

分散型金融(DeFi)はこの6年で大きく安全性を高めてきました。2020年から2025年のプロトコル損失を分析した新たなレポートによれば、業界全体のDeFi損失は2022年の26億2000万ドルをピークに、2024年には約80%減の5億3400万ドルまで縮小しています。

かつて巨額被害を生んだブリッジ(異なるブロックチェーンをつなぐ仕組み)へのハッキングは、年間被害額のごく一部を占めるにすぎなくなったとされています。

ただしリスクが消えたわけではなく、その形が変わったと指摘されています。主要プロトコルはイーサリアムやBase、Arbitrum、Polygon、OP Mainnet、Sonicなど複数のチェーンに同一コードを展開しており、一つの欠陥がすべてのネットワークで同時に資金流出を引き起こす可能性があります。



残された最大の課題は、防御が難しい「プロトコル・ロジックの欠陥」です。2025年のDeFi損失の89.1%がこの種の欠陥によるもので、各アプリケーション固有の設計に起因するため汎用的な対策が立てにくいとされています。マルチチェーン展開によって、こうした個別のバグが一気に大規模な危機へと拡大する構造が生まれています。

損失をTVL(預かり資産総額)比で見ると、最も安全なのはイーサリアムとSolanaが約0.42%、BNBチェーンが0.33%で、規模と安全性が両立して向上していることがうかがえます。

複数のチェーンに依存を分散させようとした暗号資産業界が同じ人気プロトコルを各チェーンで動かすことで、皮肉にも集中リスクを再構築しているとも言えそうです。

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