予測市場最大手に本人確認の波紋、関係者は「事実ではない」と否定

予測市場最大手に本人確認の波紋、関係者は「事実ではない」と否定

引用元: Samuel Boivin / Shutterstock.com

世界最大の予測市場プラットフォームPolymarketが、利用者全員に本人確認(KYC)を求める方針へ転換するとの観測が一部で広まりましたが、同社幹部がこれを明確に否定しました。エンジニアリング担当VPのジョシュ・スティーブンス氏はX上で「事実ではない(False)」と述べ、報道内容を訂正しています。

スティーブンス氏によれば、KYCが求められるのは新たに立ち上げるベータ版製品を早期に利用する期間に限られます。既存ののいかなる部分にも本人確認は追加されず、当該製品がベータを終えればその利用にもKYCは不要になるとしています。

つまり、サービス全体の「許可不要(パーミッションレス)」という性質は維持される形です。



予測市場は選挙やスポーツ、経済指標といった現実の出来事の結果に賭ける仕組みで、その多くが分散型かつ国境を越えて利用されてきました。匿名で参加できる手軽さを武器に拡大してきた経緯があり、全面的なKYC導入はその思想と正面から衝突するため当初の観測は大きな波紋を呼んでいました。

もっとも予測市場をめぐる規制・制裁・法的リスクが高まっていること自体は変わっておらず、規制対応とセキュリティの両面が問われています。新製品でベータ期間にKYCを設ける判断も、こうした環境への一歩とみる向きがあります。

予測市場は未公開企業の評価額など新領域へも用途を広げ、伝統的な金融商品との距離を急速に縮めています。分散型サービスが規模を追うほど中央集権的な仕組みへ近づくという構造的なジレンマは残り続けており、Polymarketが「許可不要」の理念とどう折り合いをつけていくのかが、引き続き注目されそうです。

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