バイナンス9900億円被害でもETH4%安、なぜ崩れない?
イーサリアム(ETH)の買い増しを続けるビットマインの会長、トム・リー氏は2026年11月2日、10月29日に発生したバイナンスのハッキング被害後のETHの下落が約4%にとどまっていることについて、「非常に建設的」との見方を示しました。
被害額は約63億ドル(約9900億円)で、2025年2月にバイビットで盗まれた15億ドル(約2355億円)の4倍超に当たります。リー氏によるとバイビットの際はETHが開示当日に8%、1週間で20%下落しました。ただし20%は1週間の下落幅である一方、4%は10月29日以降の数日間の数字で、比較期間は揃っていない点に注意が必要です。
リー氏は市場の反応が限定的だった要因として、バイナンスの顧客損失補填能力、ステーブルコイン発行体の迅速な対応、DeFi(分散型金融)での連鎖的な破綻がなかったことなど6点を挙げました。バイナンスは当初、60億ドル(約9420億円)超の自己資金を投じると表明し、11月2日時点で影響を受けた資産の約95%を補填したとしています。ブロックチェーン分析企業エリプティックは、盗難額の44%に当たる約28.5億ドル(約4475億円)の凍結・押収を確認しました。FBIは2日以内に北朝鮮のハッカー集団「TraderTraitor」を関与者として特定しています。
一方、ビットマインはETHに直接的な利害を持つ立場にあります。同社は直近1週間で8573ETHを買い増し、11月1日時点の保有量は606万506ETHと、流通量の約4.9%に相当するとしています。同社の発表資料の価格ではETHは10月4日から11月1日までに約17%下落。仮想通貨や現金などを含む同社の保有資産の評価額は、174億ドル(約2兆7300億円)から145億ドル(約2兆2800億円)に減少しています。
エリプティックは11月2日時点で、約30億ドル(約4710億円)がなお盗難関連アドレスに残っていると推計しており、その多くはビットコインとETHです。バイナンスは流動性の低い残り約5%の資産の調達を進め、11月4日には次回の準備金証明のスナップショットを予定しています。
残存資金の動きと次回の検証結果が、市場の落ち着きが続くかを見極める材料になりそうです。
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