インドが社債トークン化の試験開始、大手3社が160億円相当発行

2026/09/15・

よきょい

インドが社債トークン化の試験開始、大手3社が160億円相当発行

インド証券取引委員会(SEBI)は9月10日、社債とその資金決済を連動したデジタル基盤で処理する試験運用「Demat 2.0」の開始を発表しました。

9月7日と9日にREC Limited、L&T Limited、IIFLの3社がトークン化社債の発行を完了し、合計1025クロー(約102億5000万ルピー、160億円相当)が動きました。内訳はRECが500クロー、L&Tが500クロー、IIFLが25クローで、第1段階の発行は現在も続いています。

社債は許可型の分散型台帳上でネイティブのデジタルトークンとして発行され、支払いにはインド準備銀行(RBI)が金融機関向けに発行するホールセール型デジタルルピーが使われます。両者は「アトミックDVP(証券と代金の同時決済)」で結び付けられ、社債と資金の双方が決済されるか、どちらも決済されないかのいずれかになります。これにより、代金を払ったのに証券を受け取れないといった決済の時間差によるリスクが解消されます。ただし、発行体の信用リスク自体は変わりません。

このトークンは、従来の社債に対するデジタルな権利証ではなく、社債そのものと位置付けられています。ISINコード、クーポン、償還期限、財務制限条項、格付け、担保は従来の電子化社債と同じで、発行体の義務や投資家の権利、規制上の扱いも変わりません。

当初はデポジトリーと証券取引所がネットワークの検証用コンピューターを運用します。投資家のトークンの秘密鍵もデポジトリーが保管・管理するため、既存の仲介型カストディの仕組みはそのまま残ります。投資家は自ら秘密鍵を管理したり、所有権を定める記録を置き換えたりすることなく、トークン化された台帳にアクセスできる設計です。

現在の第1段階は機関投資家向けの発行と台帳上の資産管理に限られ、トークン化された流通市場での売買や個人投資家の参加は第2段階に予定されています。それまでの間、投資家はデポジトリーを介した相対取引や口座間の移転で売却でき、代金は同時決済の外でデジタルルピーや通常の銀行経由で支払われます。

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