マイニング企業のBTCは本当に「準備金」か|財務の見えにくい実態
よきょい

米上場ビットコインマイナーのCleanSparkが、保有ビットコインの実態を示す注記を開示しました。6月30日時点で報告した1万3,924BTCのうち、1,719BTCがデリバティブ取引に関連する担保、または未収債権として計上されていたとのことです。
これは報告残高の約12%に相当し、即座に利用可能な準備金としては機能していないことを意味します。同社は稼働企業のなかで11番目に大きなビットコイン保有量を持ちます。
この開示は不正を示すものではありませんが、マイナーの財務諸表が読みにくくなっている実情を映しています。CleanSparkは6月に614BTCを産出した一方、179BTCを現物売却、コールオプション行使に伴い250BTCを売却、プット行使で25BTCを取得し、デルタニュートラル戦略に関連して244BTCを取得しました。比較対象となるRiot Platformsも、2026年第1四半期末に1万5,680BTCを保有しつつ、うち5,802BTC(約37%)が制限付き残高であったと報告しています。
問題は担保化の是非ではなく流動性です。同じ1万5,000BTCという見出しの数字でも、無制限に使えるのか、担保や債権として拘束されているのかで市場の逆風に対する耐性は大きく異なります。CoinSharesの第1四半期レポートによれば、上場マイナーの1BTCあたり加重平均生産コストは2025年第4四半期に約7万9,995ドルまで上昇し、ハッシュプライスが1PH/日あたり30ドル前後の水準では世界の採掘設備の15〜20%が採算割れになっていると推計されています。
ビットコインは7月9日時点で約6万2,000ドルと、2025年10月の最高値から約50%低い水準にあります。同レポートは、上場マイナーが2026年末までに収益の最大70%をAI事業から得る可能性にも触れており、資金需要は今後さらに高まると見られています。
今後の四半期報告で、CleanSparkの開示が例外なのか業界共通の姿なのかが明らかになりそうです。
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