【今日のマクロ経済】「AI開発スピード減速」で半導体売り—資金はSaaSとコンテンツ関連へ
よきょい
9月15日現在、米10年国債利回りが一時5.01%と、2023年10月以来はじめて心理的節目の5%を上回りました。原油価格の高騰を背景にインフレ懸念が強まるなか、本日から明日にかけて開催されるFOMCでの0.25%利上げは、ほぼ完全に織り込まれています。
株式市場では新たなテーマが浮上しました。週末にかけて複数のAI開発大手が発した「AI開発スピード減速」という見方を受け、半導体需要も大きく減速するのではとの懸念から関連銘柄が売られています。代わって買われたのがSaaS銘柄で、AIに代替される脅威が後退したとの受け止めです。日経平均は3営業日続落し63,492.99円で引けました。
📈 主要指標(9月15日)
| 銘柄 | 直近価格 | トレンド | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| S&P 500 | 7,619.98 | 下落 | 利上げ警戒とAI減速懸念で-0.48%。8月13日の高値からは約2.3%の下落 |
| 日経平均 | 63,492.99円 | 下落 | 半導体売りで-0.81%と3営業日続落。本日は63,730円前後まで買い戻される |
| 金(Gold) | $4,310〜4,330/oz | 下落 | 利上げ警戒で8月上旬以来の安値圏へ。原油高でも地政学買いは入りにくい状況 |
| 原油(WTI) | $101〜103/bbl | 上昇 | 一時105ドル近くまで上昇し100ドル超が定着。パイプライン破壊と会合延期が重なる |
| BTC | $77,500〜78,000 | 保合い | FOMC待ちで7.8万ドル前後のもみ合い。7.6〜7.8万ドルが短期のレンジに |
| ETH | $2,510前後 | 保合い | 2,500ドル台を維持し相対的に底堅い推移。主要銘柄では最も安定した値動き |
| SOL | $100〜102 | 保合い | 100ドルを挟んだ攻防が継続。節目を割り込まずに踏みとどまる展開が続く |
| XRP | $1.37〜1.42 | 保合い | 1.40ドル前後を回復する動きも。前週の調整局面からはやや持ち直す |
📊 マクロ経済:本日の注目トピックス
① 米10年債が5%を突破、2023年10月以来の水準
14日の米国債券市場では国債が売られ、10年国債利回りは一時5.01%と2023年10月以来はじめて5%を上回りました。その後は押し目買いも入って上昇幅を縮小し、終盤は5.00%前後で推移しています。8月20日に4.70%前後だった水準から、1カ月弱で30ベーシスポイント以上の上昇です。
押し上げ要因は3つ重なっています。1つ目は中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の上昇、2つ目は8月CPIの上振れによるインフレ圧力の再認識、そして3つ目が財政赤字の拡大とAIインフラ投資を背景とした企業の大型起債による需給悪化です。米財務省は長期債の買い戻し拡大策を打ち出していますが、持続的な効果は限定的との見方が根強く、9月10日には買い戻し規模が期待を下回ったことで失望売りを招いた経緯もあります。
本日から明日にかけてFOMCが開催されます。0.25%の利上げはほぼ完全に織り込まれており、焦点は声明とウォーシュ議長の会見です。原油が100ドルを超える環境でインフレ抑制をどこまで強調するか、そして年内の追加利上げについてどのような示唆があるかが注目されます。
② 「AI開発スピード減速」で半導体からSaaSへ資金循環
株式市場に新しいテーマが現れました。週末にかけて複数のAI開発大手が「AI開発スピード減速」という見方を発したことで、半導体の需要も大きく減速するのではとの懸念が広がり、関連銘柄が大きく売られています。
興味深いのは、資金の逃げ先です。日本市場では代わってSaaS銘柄が台頭しました。AIに代替される脅威が後退したとの見方から買われたもので、9月8日に「AI大手が発表した新モデルに製品が代替されるのではとの懸念」でソフトウェア関連が売られた局面とは、ちょうど正反対の動きです。わずか1週間で評価が反転したことになります。
③ 原油は100ドル超が定着、BTCはFOMC待ちのもみ合い
原油市場では上下に振れる材料が交錯しました。サウジアラビアでパイプラインが破壊されたことに加え、オマーンで開催予定だったホルムズ海峡の管理を巡る会合が延期されたことで、原油価格は上昇しました。一方でトランプ大統領がSNSで、ウクライナとロシアが互いのエネルギー関連施設を攻撃しないことで合意したとし、イランについても取引を望んでいると発信したことで、原油は上げ幅を縮小しています。米国は交渉の余地を残しているとの言及もありました。
結果としてWTIは101〜103ドルで、一時105ドル近くまで上昇した後も高値圏を維持しています。100ドル超という水準自体は定着しつつあり、8月上旬の75ドル台からは25ドル以上の上昇です。ドル円は一時155円ちょうどまで値を伸ばした後、米長期金利の低下と原油の伸び悩みを受けて154円20銭前後まで軟化しました。本日の予想レンジは153円80銭〜155円30銭です。
仮想通貨市場はFOMCを前にもみ合っています。ビットコインは短期的には7万6000〜7万8000ドルがレンジとなっています。明日のFOMC結果と、17日・18日の日銀会合が今週の最大の分岐点です。特に日銀は連休直前の公表となるため、結果次第では週明けまで持ち越しにくいポジション調整が出る可能性もあります。
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