米上院、議員による仮想通貨の予測市場取引を禁止
Crypto Times 編集部

米連邦議会上院は議員および職員が予測市場プラットフォームで取引することを全面的に禁止する決議「S. Res. 708」を全会一致で可決しました。共和党のバーニー・モレノ上院議員(オハイオ州選出)が提出した本決議は政府の非公開情報を悪用した「インサイダー取引」を防ぐ初の本格的な規制行動として位置付けられています。
Proud to say my bill to ban members of Congress from insider trading on prediction markets just passed the Senate UNANIMOUSLY!
Serving in Congress is an honor, not a side hustle. Americans deserve to know that their leaders are here for the right reason!
— Bernie Moreno (@berniemoreno) April 30, 2026
予測市場とは政治イベント・選挙結果・政策決定などの予測に仮想通貨を用いて賭けて売買するプラットフォームで、PolymarketやKalshiが代表的な例です。今回の禁止対象は議員本人とその職員で、株式取引における従来のインサイダー取引規制に類似した構造となります。
モレノ議員は「上院議員が納税者から給与を受け取りながら、予測市場のような投機行為に関与する余地は一切ない。議会で働くことは名誉であって副業ではない」と声明で強調しました。本決議の超党派全会一致での可決は、株式取引制限と同等の倫理上の懸念が予測市場にも認められたことを示しています。
背景にある一連のインサイダー事件、特殊部隊兵士の$40万利益も
今回の上院決議は予測市場をめぐる一連の注目すべきインサイダー取引疑惑事案を受けて可決されたものである可能性があります。代表的な事案として、2026年1月に発覚した米陸軍特殊部隊兵士によるPolymarketインサイダー取引疑惑があります。
訴追されたのはノースカロライナ州フォートブラッグに駐留する陸軍上級曹長ガノン・ケン・バンダイク氏(38歳)。米軍の作戦「Operation Absolute Resolve(アブソリュート・リゾルブ作戦)」の計画・実行に関与しながら、ベネズエラのマドゥロ大統領の失脚に賭けてPolymarketで43万6,000株以上の「Yes」シェアを購入し、約40万4,000ドル以上の利益を得たとされます。
米司法省と米商品先物取引委員会(CFTC)は同氏を訴追し、2026年4月29日に同氏は連邦法廷で無罪を主張、25万ドルの保釈金で釈放されました。CFTCのマイケル・S・セリグ委員長は「被告は米軍の作戦に関する機密情報を委託されていたにもかかわらず、米国の国家安全保障を危険にさらし、米軍兵士の命を危険にさらす行動をとった」と厳しく非難しています。
トランプ大統領自身も4月下旬に連邦職員の予測市場取引を「調べるつもりだ」と明言しており、ホワイトハウスは先月、連邦職員に対し機密情報を金融市場や予測市場での賭けに利用しないよう警告する内部メールをすでに送付していました。今回の上院決議はこうした一連の動きと並走する形で進んだといえます。
関連:トランプ氏、連邦職員の予測市場賭けを調査へ|兵士が6400万円利益で訴追
業界も支持、KalshiとPolymarketが「賛成」表明
注目すべきは規制対象となる予測市場プラットフォーム側自身がこの動きを支持している点です。
Kalshi創業者のターレク・マンスール氏はX投稿で「素晴らしい一歩だ」と評価し「次は下院でも同じことを通そう」と立法者に訴えました。
I applaud the Senate for passing this resolution to ban Senators and their offices from trading on prediction markets.
Kalshi already proactively blocks members of congress and enforces against insider trading. This is a great step to increase trust in our markets by making it… https://t.co/fELpqZH5Cf
— Tarek Mansour (@mansourtarek_) April 30, 2026
Polymarketも公式X上で「全面的に支持する。当社のルールブックと利用規約はすでにこうした行為を禁止しているが、法的に成文化されることは業界にとって前進だ」と表明しました。
We’re in full support of this.
Our Rulebook & Terms of Service already prohibit such conduct, but codifying this into law is a step forward for the industry.
Happy to help move this forward however we can. https://t.co/PDqGVgZJGd
— Polymarket (@Polymarket) April 30, 2026
連邦と州の対立、CLARITY法との連動も
予測市場規制をめぐる動きは複層的に進行しています。米商品先物取引委員会(CFTC)は2026年4月28日、ウィスコンシン州を提訴しました。同州が先週金曜日にPolymarket・Kalshi・Coinbase・Robinhood・Crypto.comの予測市場5社を提訴したことに対する対抗措置でCFTCによる州当局への提訴はイリノイ、アリゾナ、コネチカット、ニューヨークに続く5州目です。
CLARITY法(市場構造法)の上院投票も5月中旬に予定されており、予測市場の規制上の位置付けは今後数週間で大きく動く可能性があります。Polymarketは2026年4月22日に無期限先物(パーペチュアル)取引への参入を発表しており、Kalshiも同様の計画を進めるなど、予測市場と仮想通貨デリバティブの境界が急速に溶けつつある中での規制対応となります。
関連:パーペチュアル先物×予測市場、消えゆくプラットフォームの境界
仮想通貨業界全体への影響としては、政治家・公務員・軍人が予測市場から退出することでプラットフォームへの「機密情報持ち込みリスク」が制度的に低減される構造です。一方、KalshiやPolymarketの取引高は順調に拡大しており、Kalshiの2026年3月月間取引高は119億ドルに達して8カ月連続で過去最高を更新しています。今回の禁止令で業界の正統性がむしろ高まり、機関投資家層の参入を後押しする可能性もあります。
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記事ソース:POLITICO、BERNIE MORENO (HP)























































