予測市場カルシに期限なき差止命令|最高裁の判断待ちに
よきょい
米ミシガン州のイングハム郡巡回裁判所は9月1日、予測市場取引所カルシに対し、スポーツ関連のイベント契約を州内から遮断し続けるよう命じる仮差止命令を出しました。
ロズマリー・アクィリナ判事が署名したこの命令は、最終判断が出るまで効力を持ちます。6月29日の一時的差止命令が期限付きの措置だったのに対し、今回は期限のない継続的な遵守体制へ移行した形です。
命令の対象は取引の提供にとどまりません。入金、広告と勧誘、口座アクセス、そして実質的に同等のスポーツ賭博商品も州内では禁止されます。カルシはミシガン州ゲーミング管理委員会の認可を受けた第三者の位置情報事業者を利用し、同委員会の仕様を満たすジオフェンシングを行う必要があります。不遵守と認定された場合の制裁金は1日あたり50万ドルで、6月の12万ドルから4倍超に引き上げられました。
仲介業者にまで及ぶ通知義務
見落とされがちなのが、仲介業者に及ぶ範囲です。カルシは命令の登録から3営業日以内に、同社のスポーツイベント契約を顧客に提供しているすべての先物取次業者(FCM)に対し、命令の写しとミシガン州側の代理人の連絡先を送付しなければなりません。
つまり州側は取引所本体を止めるだけでなく、利用者がアクセスしうる経路そのものに情報を行き渡らせる設計を採りました。州が管轄権を持たない連邦登録の仲介業者に対しても、遵守判断を促す圧力がかかる構造です。訴訟は2026年3月3日、ダナ・ネッセル司法長官が州およびゲーミング管理委員会を代表して提起したもので、裁判所はこの段階で無許可のスポーツ商品によって州と住民に回復困難な損害が生じるとの判断を示しています。
連邦巡回区の分裂が最高裁へ
争点は州法違反そのものよりも、連邦法による専占の有無にあります。カルシは自社商品を商品取引所法のもとで商品先物取引委員会(CFTC)が規制する連邦登録市場のイベント契約だと位置づけ、州のゲーミング規制は及ばないと主張してきました。4月には第3巡回区控訴裁判所がニュージャージー州の執行に対する専占の可能性を認め、暫定的な保護を維持しています。一方、8月28日には第9巡回区がネバダ州の事案で、スポーツイベント契約について専占は示されていないと判断しました。
司法判断の分裂は、すでに次の段階へ進んでいます。ニュージャージー州は第3巡回区の判断を不服として連邦最高裁に上告を申し立てました。州レベルでも戦線は拡大しており、7月にはワシントン州で仮差止命令が出され、8月26日にはコネチカット州が提訴しています。ミシガン州の命令は州内で完結する措置ですが、全米の枠組みを決めるものではありません。事業者、規制当局、仲介業者が州ごとに異なるルールに直面する状況は、最高裁が受理するかどうかの判断が出るまで続きそうです。
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