「AI覇権決め」の本命はアンソロピック、中国勢は2割に迫る
Crypto Times 編集部

集合知としての機能も期待される予測市場大手「Polymarket(ポリマーケット)」では「2026年末に最も優れたAIモデルを持つ企業」としてアンソロピック(Anthropic)が約*66%で本命視されています。以下、Google(約13%)、OpenAI(約10%)、xAI(約8%)と続きます。*記事執筆時点
興味深いのは時間軸による差です。同じ「最良モデル」を6月末時点で問う市場ではアンソロピックが98%超とほぼ独走ですが、年末まで延ばすと66%まで下がります。同市場は「足元の首位はほぼ確実でも半年先の覇権は読み切れない」と評価していることが読み解けます。
AI開発の速さを思えば、現在のリードがそのまま年末まで続く保証はない、という冷静な見立てが窺えます。
「最良のAIモデル」はどうやって決まる?
ここで押さえておきたいのは「最も優れたAIモデル」が雰囲気や主観で決まるわけではない点です。
上記の予測市場はAI評価で知られるArenaが運営する「Chatbot Arena(チャットボット・アリーナ)LLMリーダーボード」のテキスト部門の順位に従って決済されます。2026年12月31日時点でランキング1位のモデルを持つ企業が勝ちとなります。
Chatbot Arenaの仕組みはシンプルで世界中の利用者が2つのAIの回答(投票前はモデルは不明)を見比べてどちらが良いかを投票し、その膨大な勝敗をレーティング(Arena Score)に変換。何が「最良」は専門家の意見ではなく、実際の利用者の選好を集計して決まります。Polymarketの数字はこの公開ランキングで年末に誰が首位に立つかへの賭けというわけです。

実際の画面の様子|画像引用元:arena.ai
もっとも、評価の手法自体も進化しています。
同プラットフォームは2026年6月、実際のAIエージェントの利用ログを分析する新指標「Agent Arena」を公開。「因果トレーシング(causal tracing)」と呼ぶ手法でエージェントを構成する部品(中核モデルやツール)を無作為に組み替える実験を通じて、各モデルが成果にどれだけ寄与したかという「正味の改善効果」を推定します。
タスクの成功率、ユーザーの称賛と苦情、指示への追従性、コマンドエラーからの復帰、存在しないツールの呼び出し(幻覚)といった複数のシグナルを束ね、さらに実際にかかったコストまで加味して優劣を測る設計です。「会話の好み」から「実務でどれだけ使えるか」へとAIの評価軸そのものが広がりつつあることを映しているとも言えます。
中国勢が首位に立つ確率は20%?
注目は中国勢の扱いです。「年内に中国企業が最良のAIモデルを持つ」とする見方は約20%で織り込まれています。*取引ボリュームは約40,000ドルと小規模である点は注意
背景にあるのはDeepSeekなどの中国製モデルが安価に同等の性能を提供し始めている現実です。
性能トップを米国勢が守っても、実用面で「必要十分な品質を低価格で」という選択肢が広がれば、AIの利用料は他の市場と同じようにコモディティ化(汎用品化)していきます。覇権の象徴である首位と実際に使われるモデルの経済性は必ずしも一致しないという論点です。
「年内に性能の大ブレイクなし=72%」の数値も
性能そのものの伸びについても市場は慎重です。前述のChatbot Arenaで特定のスコア(1550)に年内到達する企業を問う市場では「2026年内はどこも到達しない」との見方が約72%を占めています。次の大きな性能ジャンプは今年中には起きにくいという見立てです。
これは、巨額の設備投資と熱狂的な期待が先行するAIブームに対する、市場のささやかなブレーキともいえます。性能の伸びが鈍れば投じた資金に見合うリターンを得られるのかという問いがいずれ重みを増してくる可能性があります。
投資マネーがAI一辺倒であり続けるのか、それとも仮想通貨など他の資産へ向き直すのか。世界の資金の流れとして、AI関連株と仮想通貨市場も無関係ではないことを踏まえれば、予測市場のこうした数字は仮想通貨投資家にとっても市場の風向きを測る一つの指標になる可能性があります。
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記事ソース:Polymarket
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