改ざんツールと偽面接、バイナンス1兆円事件は約4カ月がかり

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改ざんツールと偽面接、バイナンス1兆円事件は約4カ月がかり

バイナンスは11月3日公表の初期報告書で、10月29日のハッキングに至る攻撃の準備過程を明らかにしました。

同社は今回の事件を単発の侵入や単純なフィッシングではない、複数段階にわたる巧妙な作戦だったとしています。偽の採用面接によるソーシャルエンジニアリング(人の心理を突いて情報や操作を引き出す手口)、不正なソフトウェア、社内AIツールの悪用などが組み合わされていました。

発端は2026年6月で、ウォレット運用担当のエンジニアAが検索経由で改ざんされたHomebrew(開発者向けのソフト導入ツール)を入手しました。端末は交換されたものの、この人物や同僚の役割が攻撃者に知られる結果となりました。9月には別のエンジニアBが正規の求人サイトで偽の企業担当者から接触を受け、2回の面接を経て「課題」として悪意あるコードを業務用端末に取り込みました。このマルウェアは、当時のセキュリティ製品では検知できない未知のもの(ゼロデイ)だったとしています。

攻撃者は10月20日、エンジニアBの端末から社内AIツールを踏み台に、エンジニアAとCの端末を掌握。エンジニアAの端末にはコンテナ配備用の権限トークンが保存されていたとされます。10月29日、攻撃者はエンジニアCの端末にログインし、盗んだ認証情報でコンテナを展開して攻撃を開始しました。同社は2026年中に北朝鮮関連とみられるサイバー攻撃を57件検知・阻止していたとしています。

同社は今後、外部専門家による独立調査に加え、AIを活用した検知や開発環境の防御への投資を拡大する方針です。AI企業やセキュリティ企業と連携した研究基金の設立にも取り組むとしています。採用面接や開発ツールといった日常業務の入り口が狙われた点は、業界全体にとって重い教訓となりそうです。

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