フィデリティのETF、最大100%ステーキングへ|解約遅延のリスクは

2026/08/25・

よきょい

フィデリティのETF、最大100%ステーキングへ|解約遅延のリスクは

引用元: CryptoFX / Shutterstock.com

ct analysis

フィデリティのイーサリアムETF(FETH)とソラナETF(FSOL)が、8月21日付の目論見書で、保有する仮想通貨の最大100%をステーキングできる権限を持つことを明らかにしました。最低比率の定めもありません。

ただし100%はあくまで上限で、実績ではありません。FSOLは6月30日時点で保有1,687,589 SOLのうち1,675,797 SOLをステーキング済みで、直近30日の比率は99.64%。一方FETHは同日時点で476,311イーサを保有するものの、ステーク済みの記載がなく、開始は8月21日以降とされています。

SOLは「2日」、イーサは「期間の定めなし」

投資家が知っておくべき差は、解約にかかる時間です。FSOLは通常時であれば、ステーク済みSOLを2日程度で取り戻せると見込んでいます(結果を保証するものではないとしています)。

一方FETHには固定の期間がありません。イーサリアムでは、バリデーター(取引を承認する役割)が離脱の列に並び、必須の待機期間を経て、ネットワークがまとめて出金処理をする流れになるためです。

分解すると三段階になります。まず離脱の列で、1日あたりおよそ57,600イーサまでしか処理できない上限があります。次に約27時間の固定待機。最後に出金処理の順番待ちで、2026年5月時点ではおよそ7〜8日でした。

平時はほとんど待ちがなく数分から数日で終わります。ところが2025年9月、大手事業者の一斉離脱で約265万イーサが列に滞留し、待ち時間は40日を超えました。2026年1月には32イーサまで減っています。つまり普段は速く、混むと一気に伸びる性質があると、ステーキング事業者Figmentなどの公開データが示しています。



混雑した日に何が起きるか

米国の証券決済は2024年5月にT+1へ短縮されており、ETFの設定や解約も原則この短いサイクルで動きます。解除に上記の時間がかかる以上、高い比率でのステーキングは構造的な時間のズレを抱えることになります。

目論見書はこれに三段構えを置いています。まず未ステーキングの準備資金を使う。足りなければ決済を一時的に延ばす。それでも間に合わなければ、現物で渡すはずの仮想通貨の一部または全部を現金で支払う。いずれも「できる」という裁量規定で、自動的に発動する保護ではありません。

手数料は他社より低め

各ファンドはステーキング報酬の15%を手数料として支払い、85%を留保します。留保分は経費、四半期の現金分配、解約対応、追加ステーキングの順に充てられますが、運用会社は順序を変更できます。

比較すると、BlackRockのイーサリアムETFは報酬の18%、Hashdexの新ETFは当初の利回りの100%とその後の40%を取る設計とされます。15%は現時点では低めの水準です。

将来の備えとして、与信枠の設定、デジタル資産の借入、バリデーター持分の売却なども列挙されています。ただし8月21日時点で、どちらのファンドも与信枠を持っていません。確認すべきは「100%」という数字よりも、解約が集中した日の記述になりそうです。

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