シリコンの次へ?韓国研究チームが開発、積層不要のトランジスタとは

2026/10/20・

よきょい

シリコンの次へ?韓国研究チームが開発、積層不要のトランジスタとは

韓国の科学技術情報通信部と基礎科学研究院(IBS)は10月16日、IBSファンデルワールス量子物質研究団の趙文鎬(チョ・ムンホ)団長(浦項工科大学教授)らの研究チームが、新たなトランジスタ製作技術を開発したと発表しました。

2次元半導体(原子数層の厚さしかない半導体材料)を構成する原子を選択的に置き換え、1枚の薄膜の狙った層と位置に異なる電気的性質を持たせる手法です。研究成果は同日、米科学誌サイエンスに掲載されました。

研究チームはタングステンとセレンからなる2次元材料のセレン原子を、酸素、硫黄、テルルにそれぞれ置き換えました。これにより、絶縁体の酸化タングステン、n型半導体の二硫化タングステン、電気をよく通す半金属の二テルル化タングステンを作り分けています。複数の材料を積み重ねることなく、半導体層、絶縁膜、電極接合を1枚の薄膜に備えたトランジスタを実現したとしています。

2次元半導体は微細化の物理的な限界に近づくシリコンの次の候補として研究が進んでいます。ただ、異なる材料を積層して素子を作る工程は複雑で、界面の品質確保も課題とされてきました。今回の技術は0.7ナノメートル級の原子層単位での加工とされ、積層工程そのものを省ける点が特徴です。

趙団長は、超低消費電力・超微細の半導体に加え、次世代の積層型素子技術にも応用できる可能性があるとしています。現時点では研究段階の成果であり、量産技術として確立するには、大面積化や歩留まりの検証が必要になります。シリコン以降の半導体材料の開発競争の中で、注目される成果の一つになりそうです。

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