【今日のマクロ経済】対イラン制裁は「警戒ほど強くない」で原油急落。BTCは一時8万ドル回復
よきょい

8月26日現在、前日にベッセント米財務長官が発表した対イラン制裁が、事前に市場で警戒されたほど強い内容ではなかったと受け止められています。米ニューヨーク・タイムズ紙が米国は中東地域の大使館へ外交官を戻す方針だと報じたことも重なり、ホルムズ海峡を巡る供給混乱への警戒感が急速に和らぎました。原油(WTI)は大幅下落となり、80〜81ドル台まで水準を切り下げています。
インフレ懸念の後退を受けて米長期金利は全般に低下し、株式市場は主要3指標が揃って上昇しました。ビットコインは一時8万ドルを回復し、78,500〜79,100ドルの高値圏を維持しています。8月中旬に原油高と長期金利上昇が仮想通貨の重しとなっていた構図はここへきて完全に反転した格好です。
本日は米7月PCEデフレーターの発表があり、明日からはジャクソンホール・シンポジウムが開幕します。
📈 主要指標(8月26日)
| 銘柄 | 直近価格 | トレンド | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| S&P 500 | 7,677.28 | 上昇 | 原油安と金利低下を好感し+0.32%と反発。SOXも+1.44%とハイテクが持ち直す |
| 日経平均 | 65,856.43円 | 上昇 | 前場は900円安も後場に切り返し+0.50%。売買代金7兆円程度と商いは低調 |
| 金(Gold) | $4,640〜4,660/oz | 保合い | 4,600ドル台後半で高値圏を維持。原油急落局面でも下押しは限定的で底堅い |
| 原油(WTI) | $80〜81/bbl | 下落 | 制裁の影響が限定的との見方で4〜5%急落。87ドル台から一気に水準を切り下げ |
| BTC | $78,500〜79,100 | 上昇 | 一時8万ドルを回復し高値圏を維持。原油安と金利低下が追い風として作用 |
| ETH | $2,460前後 | 保合い | 2,460ドル前後で小動き。2,500ドルの節目を前に上値の重い展開が続いている |
| SOL | $97〜98 | 上昇 | 97ドル台まで続伸し100ドルの大台が目前に。主要銘柄で最も強い上昇基調 |
| XRP | $1.45〜1.46 | 下落 | 1.50ドル手前で頭打ちとなりやや調整。急伸後の利益確定売りが上値を抑える |
📊 マクロ経済:本日の注目トピックス
① 制裁は「警戒ほど強くない」、原油は80ドル台へ急落
前日にベッセント米財務長官が発表した対イラン制裁は、事前に市場で警戒されたほど強い内容ではなかったと受け止められました。デジタル資産や海運など5分野を二次制裁の対象に加えるという枠組み自体は強硬ですが、発効時期や対象の詳細が明らかにされていないことが、かえって影響の見積もりを限定的なものにしています。イランへの経済制裁の拡大が原油供給に及ぼす影響は限定的になるとの見方が広がりました。
これに追い打ちをかけたのが外交面の報道です。米ニューヨーク・タイムズ紙は、米国が中東地域の大使館へ外交官を戻す方針だと報じました。加えて米国が当面イランへの新たな軍事攻撃を実施しない見通しとの報道もあり、ホルムズ海峡を巡る供給混乱への警戒感が和らいでいます。
原油(WTI)は4〜5%程度の大幅下落で80〜81ドル台まで水準を切り下げました。8月20日に87ドルを突破した局面からは6ドル以上の低下です。8月上旬の75ドル台から87ドル台まで駆け上がった上昇分の半分近くを、わずか数日で吐き出したことになります。制裁強化という材料が出た直後に原油が下がるという展開は直感に反しますが、市場は「最悪のシナリオは回避された」と解釈したということです。
② 米金利が全般に低下
25日の米国債券市場では国債が買われ、利回りは全般に低下しました。中東情勢を巡る緊張緩和への期待から原油価格が下落し、インフレ懸念が後退したことが主因です。2年債入札が良好な需要を集めたことも相場を支援しました。米財務省による長期国債買い戻し拡大の効果も引き続き意識されています。
ただし構造的な課題が解消されたわけではありません。財政赤字の拡大、インフレ率の高止まり、中東情勢の不透明感といった長期的な問題はなお残っており、買い戻し策だけで金利上昇圧力を完全に抑制することは難しいとの見方は根強く残っています。今回の金利低下は原油安という外部要因によるものであり、原油が再び上昇に転じれば同じ経路で逆回転する性質のものです。
③ 本日のPCEと明日開幕のジャクソンホール
本日は米7月PCEデフレーターの発表とバーキン・リッチモンド連銀総裁の発言機会が予定されています。ただし市場予想から大きく乖離しない限り、明日開幕のジャクソンホール・シンポジウムを控えて反応は限られる公算です。28日にはウォーシュFRB議長が初の基調講演を行います。原油安で金利低下という追い風が吹いているいまだからこそ、議長がインフレ抑制姿勢をどこまで強調するかが重要になります。
仮想通貨の上昇が金利環境に支えられている以上、この講演は今週最大の分岐点です。加えて制裁の詳細判明も引き続き注視すべき材料であり、デジタル資産が対象分野に含まれている点は仮想通貨業界にとって中期的な論点として残ります。

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