「青い波」はなぜ起きた?共和党の敗因にイラン戦争とガソリン高
11月3日に投開票された米中間選挙で、民主党が上下両院で過半数を獲得する見通しとなりました。上院ではテキサス、カンザス、アイオワ、オハイオ、サウスカロライナ、ノースカロライナの6州で、AP通信が民主党への議席移動を判定しています。下院でも共和党が主導する州議会が共和党に有利なよう区割りを変更した選挙区で、民主党候補が相次いで勝利しました。
フロリダ州のデサンティス知事は今回の結果について、共和党にとって存亡に関わる事態に近いとの認識を示しています。
敗因についてバンス副大統領はXへ長文を投稿し、負けた理由はイランとの戦争だと明言。同氏は投票率自体は悪くなかったとしたうえで、2024年にトランプ氏と自身に投票した有権者の多くが今回は民主党に票を投じたと分析しています。また信頼する世論調査の専門家の指摘として、戦争の終結、生活費とインフレへの対応、米国第一の徹底、イスラエルとの関係見直しの4点を挙げました。
トランプ大統領は記者団に対し、戦争がガソリン価格を押し上げたため「おおむね正しい」と認めつつ、イランの核保有を阻止するためには必要だったとして判断は変えないと述べています。
米国は2026年2月下旬、イスラエルと共同でイランへの攻撃を開始しました。トランプ氏は早期終結を繰り返し示唆してきたものの、戦闘は選挙時点まで続いていました。国防総省の推計では、米軍の戦費は470億ドル(約7.4兆円)を超えています。7月のロイター/イプソス調査では、戦争を支持する米国人は3人に1人にとどまりました。
ガソリン高が支持率を押し下げ
戦争の影響が家計に最も直接的に表れたのが、ガソリン価格です。米国自動車協会(AAA)のデータでは、開戦前に1ガロン(約3.8リットル)あたり平均3ドル(約470円)を下回っていた全米平均価格は、5月に4.48ドル(約700円)まで上昇しました。関税や物価高に加え、移民取り締まりへの反発も、無党派層や一部の共和党支持層の離反につながったとの指摘があります。
こうした不満は支持率に表れていました。ピュー・リサーチ・センターの調査では、トランプ氏の支持率は10月上旬に30%まで低下し、中間選挙直前の大統領としては1946年のトルーマン大統領以来の低水準となりました。10月19日に公表されたロイター/イプソス調査でも支持率は31%と、2期を通じた最低を記録しています。
2027年1月からは民主党が議会を握りトランプ政権とのねじれが生じます。政権の政策は議会の協力なしには進めにくくなる一方、トランプ氏には法案への拒否権が残ります。共和党内では敗因を巡る路線対立が表面化しており、バンス氏の発言には2028年大統領選を見据えて戦争と距離を置く狙いがあるとの見方も出ています。イラン情勢への対応が、今後の米政治と市場の行方を大きく左右することになりそうです。
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