停滞するビットコイン市場、起爆剤は「米法案成立」と「利下げ」?
Crypto Times 編集部

仮想通貨投資企業ギャラクシー・デジタル(Galaxy)を率いるマイク・ノボグラッツCEOが、決算後のAMA(投資家との質疑応答)で2026年のビットコイン相場観を語りました。元ヘッジファンドマネジャーとして知られる著名な強気派ですが、その見立ては意外なほど慎重です。ビットコインは当面6.5万〜8.5万ドルのレンジで膠着し、ここから上抜けるには「2つの条件」が要る——というのが、業界の最前線に立つ当事者の整理でした。
「退屈な相場の年」、投機マネーはどこへ消えたのか
ノボグラッツ氏はまず、2026年の仮想通貨相場を「退屈な年だった」と率直に振り返ります。多くのレイヤー1・レイヤー2トークンは年初来で値を下げ、盛り上がりに欠けたまま、というのが同氏の評価です。では投機の熱はどこへ行ったのか。同氏は、かつて仮想通貨市場を沸かせた投機マネーが、予測市場やスポーツベッティング、当日決済のオプションへと移っていったと指摘しました。
そのなかで唯一突出したのが分散型取引所のハイパーリキッドだ、と同氏は言います。理由は明快で、「実際に使われ、使われるほど収益がトークン保有者に還元される」設計にあるとのこと。ノボグラッツ氏はこれを「これからのトークンのあるべき姿」と評しました。実際、同取引所の$HYPEは多くのアルトコインが低調ななかでも逆行して買いを集めており、相場全体の停滞とは対照的な動きを見せています。
条件①:CLARITY法、最後の関門は「倫理条項」
ビットコイン上昇に必要な1つ目の条件として同氏が挙げるのが、米国の市場構造法案「CLARITY法」の成立です。ノボグラッツ氏はワシントンで上院議員らと長時間を費やしてきたと明かし、「個人的には成立すると思う」と述べました。成立すれば伝統金融(TradFi)勢が一気に流れ込む「殺到」が起き、株式や住宅ローンなどあらゆる資産のトークン化が進む、というのが同氏の描く絵です。
ただし最後の関門として残るのが「倫理条項」だと同氏は説明します。具体的には、大統領・副大統領・議員が自らのコインを発行することへの制限や、保有する仮想通貨をブラインドトラスト(白紙委任信託)に置く義務づけです。背景には、トランプ大統領一族や政権による仮想通貨の使い方に不信を抱く民主党左派の存在があります。同法の審議は、トランプ一家の利益相反をめぐる倫理規定の要求でいったん暗礁に乗り上げた経緯もありました。現状はなお流動的で、7月17日に公聴会を控えるものの上院本会議での採決日程は未定のままです。
条件②:FRBの利下げは「イラン情勢」で足踏み
2つ目の条件は、FRB(米連邦準備制度)が利下げに転じることです。ノボグラッツ氏によれば、この利下げサイクルはイラン情勢をめぐる戦争によって遅らされているとのこと。新議長のケビン・ウォルシュ氏も、当面は利上げを求める声を抑えるだけで手一杯で、よほどの急変がない限り最初の2会合では利下げに動かない、と同氏はみています。ウォルシュ氏は緊縮派とされ、就任後はインフレの高止まりに直面してきました。
もっとも同氏は、戦争が終わって原油価格が60ドルへ戻れば、第4四半期末か来年初めの利下げに道が開けると期待を示します。ウォルシュ氏は新技術がもたらすデフレ効果を信じており、最終的には利下げ派になるだろう、とも語りました。ただしこれはあくまで強気派である当事者の見立てであり、利下げの時期は専門家の間でも見方が割れている点は留保として添えておくべきでしょう。
まとめれば、CLARITY法の成立とFRBの利下げ。この2つが揃うまで、ビットコインはレンジ内の膠着を抜けにくい、というのがノボグラッツ氏の現状認識です。「相場は退屈でも、インフラは熱狂の年」と語る同氏にとって、価格の停滞はあくまで一時的な踊り場という位置づけのようです。
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記事ソース:Galaxy






















































