BTCの3割が量子リスクに晒される?取引所で大きな差

BTCの3割が量子リスクに晒される?取引所で大きな差

ビットコイン (BTC) の発行済み供給量のうち、約30%(約600万BTC)が将来的な量子コンピュータによる攻撃リスクに「露出」した状態にあるとオンチェーン分析企業Glassnodeが指摘しています。

一方で同社はこの「30%」をビットコイン自体の致命的な欠陥として捉えるべきではないと強調。露出の大半はプロトコルの問題ではなく、利用者の「運用方法」に起因しており、資産をどこでどう管理しているかによってリスク度合いが大きく異なるためです。



取引所や企業ごとに激しいばらつき

最も注目すべきは仮想通貨取引所などの大口保有者における露出度の違いです。Glassnodeの分析によると運用上の理由で露出しているBTCのうち約4割にあたる1.66M BTC(全供給の8.3%)が取引所関連の残高です。

この数値は事業体ごとに極端な差を見せています。例えば、米国・英国・エルサルバドルといった国家の保有分は量子露出が0%であり、大手取引所コインベース(Coinbase)や決済アプリのCashApp、Fidelityの露出も5%以下にとどまっています。一方でバイナンス(Binance)は85%、ビットフィネックス(Bitfinex)やRobinhood、WisdomTreeに至っては残高の100%が露出状態にあると指摘されています。

業界ではこうしたリスクに備え、プロトコルの更新を待たずにウォレット側での量子耐性化を急ぐ動きも出ています。



なぜ「露出」するのか? 2つの要因

量子リスクにおける最大の焦点は「ブロックチェーン上で公開鍵がすでに見える状態になっているか」という点です。公開鍵が見えていれば、将来的に高性能な量子コンピュータが登場した際、そこから秘密鍵を逆算されるリスクが生じます。Glassnodeはこの露出を「運用的露出」と「構造的露出」の2つに分類しています。

露出リスクの大部分を占めているのが運用的露出です。本来は公開鍵を隠せる安全なアドレス形式であってもユーザーが「アドレスを再利用(使い回し)」して一度でも送金を行うと、公開鍵がブロックチェーン上に記録され、そのアドレスに残っている残高の保護が失われてしまいます。取引所間で大きな差が出ているのもこの運用管理体制の違いが主な要因です。

もう一つが構造的露出です。サトシ・ナカモト時代の初期コインや近代的なTaproot(P2TR)など、出力の種類そのものが設計上公開鍵を明かしてしまう性質を持っています。すでにアクセスキーが失われた休眠コインなどは安全な形式へ自発的に移し替えることができず、構造的に露出したままとなってしまいます。

同社は今回の分析があくまで「現時点で公開鍵がどこに見えているか」を示すデータマップであり、量子攻撃の時期や特定取引所の支払い能力を評価するものではないと断言しています。その上で入出金のたびにアドレスを変更するといった標準的な管理(アドレスの衛生管理)を徹底することでこのリスクの大部分は削減可能だと結論付けています。

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記事ソース:Glassnode

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