ビットコイン、悪材料3連発でも動かず|売り手枯渇のサインか

ビットコイン、悪材料3連発でも動かず|売り手枯渇のサインか
ct analysis

米運用会社ビットワイズのマット・ホーガン最高投資責任者(CIO)は、ビットコインが悪材料に反応しなくなったとして弱気相場の終わりが近いとの見方を示しました。米株式市場の急変動、ストラテジー社の大量売却、「CLARITY法」の年内成立確率が40%から14%へ急落という逆風が続いても、価格は6万4,000ドル前後の狭いレンジを保っています。ホーガン氏は「弱気相場は無関心の中で無くなる」と述べ、この値動きの乏しさを売り手が枯渇したサインと捉えています。

Bitcoin price by TradingView

ホーガン氏の分析は売る意思のある投資家はすでに売り終えたというものです。ビットコインは将来100万ドルに達すると考える長期保有者の手に渡っており、悪材料が出ても手放す主体が残っていないため価格が動かないと説明しています。抑え込まれたボラティリティはいずれ解放され、その方向は上だろうとの見通しです。

ただし底打ちの保証ではないと断ったうえで市場に広がる「10月底入れ」のコンセンサスについては皆が同じ予想をしていること自体が不安材料だと述べています。

投資家への示唆としては、ポートフォリオの5%を「魔法の数字」と同氏は説明。ビットワイズの分析では5%以下なら全体のボラティリティをほぼ変えずにリターンを上乗せでき、2011年以降のどの3年間でも、購入してリバランスを続けた場合にプラスで終わらなかった期間はないといいます。世界の資産全体に対する仮想通貨の規模から中立的な配分は約2%になるとして「保有ゼロは極端な弱気ポジションだ」との見方も示しました。



価格下落でも止まらない機関投資家の転換

ホーガン氏がこの1カ月で最も驚いたと語ったのは、ウェルズ・ファーゴやUBSといった世界最大級の資産管理プラットフォームとの対話です。各社は足元の価格下落を認識しながらも、仮想通貨を今後10年で確立する資産クラスと位置づけ、短期の値動きを気にしていないといいます。この見方はデータとも符合しており、米国のビットコイン・イーサリアムETFには8月上旬に4カ月ぶりの大きさとなる週間1,580億円の資金流入が記録されていました。市場が高値圏から大きく下げた局面での資金流入は同氏の言う「価格を見ていない機関投資家」の存在と重なる動きといえます。

規制面の悪材料にも変化の兆しがあります。CLARITY法は8月上旬に採決が見送られ、現在は9月15日の採決が予定されていますが、成立には民主党側の賛成票の上積みが必要な状況が続きます。ホーガン氏は8月上旬にも決着のつかないまま採決の観測だけが続く状態を「歩く死人」と表現し、見通しが明確に潰える方が価格には好ましい可能性があると指摘していました。一方で法整備の停滞を横目に、SECは独自のルール整備を進めており、トークン化株式の「イノベーション免除」に加え、証券登録なしでのトークン発行に道を開く規則の採決も8月14日に予定されています。9月のCLARITY法採決とSECの規則制定、そして市場でコンセンサスとなっている10月という時期を経て、低ボラティリティの均衡がホーガン氏の見立て通り上方向に破れるかが確認されることになります。

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